私が聞いた声とは

入浴後はヘルパーさんへ、排便後は訪問看護師さんへ、ポメラで思ったことや質問を打って読んでもらっている。看護師さんやヘルパーさんが記録をつけているときに打っている。

先々週土曜日の入浴日には、最近足元を洗うのに怖さがなくなったが、ある日突然前のめりに倒れたりしないだろうか、と打った。

するとヘルパーさんは、「それは事故でしょう。慣れないほうがいいですね。」おっしゃった。

その後、ヘルパーさんがホワイトボードにこれから書こうとしようとしているものを、ヘルパーさんの口から聞いて笑ってしまった。

聞いたのはほんのわずか、「自分」という言葉だけだった気がする。
でもその言葉で、ヘルパーさんはいつも確実にお仕事をなさっているのに、「間違ってたら言ってね」というのが口癖っぽいのを思い出した。
読まずにわかったのは、自分も慣れないよう気をつけてたい、といった内容だった。


先週の土曜日は、帰り際、口を開けて私に話しかけてくれたり耳元で話しかけてくれたが、本当に申し訳ないことだが、口の形を見てもわからなかった。

最後にヘルパーさんは、私の肩をたたき、「バイバイね。」と言い、これだけは聞こえた。

落ち着いた声だった。

人の声が聞こえるのは、聞こうとしてもさっぱりわからず、ふいにわかることが本当に多い。