思い通りにならない運命

胃カメラがありました。
最初にこの検査を行ったのは中学生のときで、原因は高校進学が思い通りにいかなかったからでした。
私は美術部で、ジャンケンで負けてなった部長でしたが、歴代の部長は受験シーズンになると美術の先生に、ストーブのそばでデッサンの指導を受けていました。
私は下手くそでも絵を描くのは好きで、先輩のようにデッサンの指導を受けるんだと思っていて、美大付属高校に自分は行くと思っていました。

「電車で高校へ通うのは無理でしょう」
と担任の先生はおっしゃいました。
私が中学生の頃は、現在普通に透析で使用している造血ホルモン、エリスロポエチンはなく、毎月輸血が必要だったんです。 (その後エリスロポエチンの治験に参加、よく効き高校でバスケットボール部に入りました)
透析後に生あたたかい血を吐き、自分には行きたい高校があったんだなと思いました。
出血性胃潰瘍で、はじめて胃カメラの検査を受けました。

結局母が選んだ、ピアノの試験不要で楽器経験があって筆記試験で入れる音大付属高校普通科に入りました。
母は自宅でヴァイオリンを教えることを想定していたようです。
でも入学早々にピアノが弾けないとだめだとわかり、「しーん。」となりました。
ソルフェージュの教科では、聴音といって先生がピアノで弾いた和音が何の音かあてるものがありました。 聴いてきた楽器の音はヴァイオリンばかりで、私には和音の混ざった音を頭の中で分解するのは不可能に思えました。

高校では、私は受験勉強はあまりせず、そもそも嫌いな教科は頭に入りづらく、好きな教科は化学だとわかっていても、大学受験には2年を費やしました。。。