リハビリで身体が思い出す記憶

最近、脳出血になって20年以上、不鮮明な昔の記憶は仕方がないことと思ってたら、そうではなかった。

自分の記憶は自分だけのもので、目次だけみたいな記憶はそれぞれに物語や情景が残っていた。

1回目の脳出血後に偶然出逢った認知神経リハビリテーションによって、失語症回復には、リハビリ後にやったことを思い出して書くことが有効だったらしい。
失語症のときはメチャクチャな助詞で文を書いたりして自己表現に満足していなかった。
2回目の脳出血後で、聞こえず話せなくなったが、自己表現力に変化は感じていないので本当に感謝している。


失語症回復では思い出そうと記憶をたくさん見つけようとしたけど、動かない身体は動かす方法を忘れているという表現はよく耳にする。

先日リハビリで「覚えてますね」と言われたことがあった。

現在、寝たきりなのに無謀と思われそうだが立ち上がりのリハビリに挑戦している。
遠い目標に腎移植がある。車椅子では下肢からの血液が移植腎へうまくいかない失敗例があると聞いたから。
私の足は非常に硬い。
完全に立つ、というか、つま先立ちでバランスを利用して立とうとしている。

先生に支えてもらわないとだめだが、自分では説明できない身体の動きがあると思った。
「覚えてますね」とは、身体が勝手に覚えていたものだった。
その動きはたぶん回復の動きで、身体にある記憶によるものなのか?


私の今年のお正月のおみくじは「吉」だった。
自ら動かない方がいいというつまらない内容だと思っていた。
でもリハビリでいえば、新しいことを探すより、記憶されていた動きがあったら、それを感じてみる(味わう)のもいいかもと思った。