笑み

透析に行くには、1Fの受付の前を通る。
受付の女性と目が合えば、その女性が若いと、手を振ったりしていた。

ある日、別の職場に変わるということで、私に手紙をくれた受付の女性がいらした。
私は耳が聞こえず話せず、話されていることがわからず、車椅子にぶら下げているひらがな50音ボードに指差しで「もう会えないの?」と質問すると少し涙が出ていたようだった。
頂いた手紙では、元気をもらったとある。
私も同じ心境だったのに。
そう言えなかったのは残念だったけど、私を見て思ってくれたことを手紙に書いてくれたことを大変感謝しております。


私は2回目の脳出血になる前には自分の表情について何か言われたことはありません。
2回目の脳出血になって、女性から笑顔を褒めていただくようになりました。
当初は話せず電動車イスでよく笑うから?と思っていました。

1回目の脳出血直後の私は、表情はなく、笑って鏡で見ると卑屈で笑いとは程遠い表情でした。
知っている人に会っても、その人は伏し目がちでこっちを見てくれない。「あ~、さみしい」
自宅で表情筋を手で動かし、お笑い番組ばかり観て自分が笑ったなと思ったら口角の上がり具合を鏡をチェック。少しずつ笑った表情に近づけました。

2回目の脳出血後の現在は、見る人が見ればわかる「バカ笑い顔」で、口をいつも閉じておりません。。。
でもいいのです。バカっぽい笑い顔でも。私の顔を見て笑ってくれる人がいると思える嬉しさが、現在の笑みにはあると思っています。